酒田において庶民の間に伝わる風習 「傘福」。
伊豆稲取「ひなのつるし飾り」・九州柳川「さげもん」と並び、「日本三大さげもん」に数えられる。
もと料亭だった建物の、二階大広間いっぱいに展示された大小さまざまな傘福は圧巻!
最大のものは高さ2.7m、傘の直径2m、飾りの数 実に999個を数える。
さげものの種類は実に70種類以上!そして全てに意味が込められている。
面白いところでは・・・
・座布団=早くお座りが出来ますように。
・唐辛子=虫除け⇒大事な娘に悪い虫がつきませんように。
・よだれかけ=疱瘡(天然痘)避けに効くそうな。(器量落としと言われ女の子の大敵だった。)
・いのしし=子だくさんで足腰が丈夫になりますように。
・幸せの座布団=4枚の布を合わせて縫う→四合わせ→しあわせになりますように。
・まくら=寝る子は育つ→頭がよくなりますように。
・米俵、梨、メロン、柿、民田なす、いちご、いかetc=地元の名産品シリーズ。
これら飾り物は会場で製作体験もできるし、作り方の説明書もある。(要予約)
傘福は本来、子供の成長などを願い、傘の先に願いを込めた飾り物を下げ、寺社に奉納するものだったそうだ。今でも庄内三十三観音などを回ると、古い傘福を見かける事がある。
会場の建物は明治28年築のもと料亭で、浪漫あふれる木造建築だ。
料亭廃業に伴い2005年に酒田市に寄付。改修を加えて観光施設として現在に至る。
ここは商工会議所の女性会が主催している為か「もうひとつの酒田雛街道」と銘打たれているが、他会場をも圧倒するインパクトがある。個人的にはイチオシの会場。
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