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蔵王温泉 共同浴場めぐり 更新日 2005/11/9

上湯共同浴場
川原湯共同浴場 冬の下湯共同浴場
下湯の脅し文句 下湯の足湯 湯けむり漂う温泉街

共同浴場の基礎知識  川原湯  下湯  上湯  温泉データ

 県下最強温泉地 蔵王

・・・公称ではない。私が勝手に言ってるだけである。

何?いかなる根拠で左様な事を申すのだと?

一、県下最強の強酸性泉

 
Ph1.3〜1.5! 
 秋田県・玉川温泉の1.2にはわずかに及ばぬものの、日本でも指折りの強酸性を誇る。
10円玉が一週間で溶けて無くなるとまで言われ、恐れられている威力!

 ピリピリする刺激的な入浴感は、県内において他の追随を許さぬものである。


一、県下最強の湧出量

まずは、この画像をご覧頂きたい。蔵王温泉街を走る川の一つ
である

  

この激流、このいささかアングルを引いてご覧にいれようか。

  

 湯気がもうもうと立ち込めておろう。そう、これは温泉が流れているのだ。
湧出量は
毎分1万5000リットル!
 月並みな表現だが、1分間で50mプール8杯を満たしてしまう計算になる。

一、県下最強の硫黄臭

 蔵王温泉に浸った後、それを秘匿するのは困難であろう。
何せ硫黄成分を多量に含んでいる為※、体に硫黄臭が染み付いてしまうのだ。
その効果は翌日までも持続するほど。

 関係筋によると、一週間も放っておくと給湯管に湯花が付着し、詰まってしまうのだという。
それほどの硫黄濃度。

 そんな温泉が膨大に溢れ出している蔵王温泉。
勢い、温泉街に猛烈な硫黄臭が漂っているのは理の当然。
むせかえる程の、湯の町情緒を堪能できる。


※川原湯の場合、試料1kgあたりの硫化水素イオン2833mg、硫酸イオン1886mg


一、県下最強の収容人員

 伝説によると蔵王温泉の開湯は西暦110年。日本武尊が絡む位古い話だ。
昔から奥羽三高湯に数えられ、開けていた古湯である。

 更に、近年はスキー場としても、火口湖お釜や樹氷をはじめとする観光地としても名高い所。
そこにこれだけの温泉が湧いているのだ。
 宿泊施設150余、収容人員約1万5000人、県下最大の温泉地となったのも当然であろう。


 以上4点を以って「最強」と断ずるものである。
他にも、下記「DATA」の効能をご照覧あれ。只者ではない症状が並んでいる。
 別に「最高」と云ってはおらぬ。誇大表現にはあたるまいよ。



 共同浴場の基礎知識

 この県下最強温泉地には、
3つの共同浴場が存在する。
川原湯、上湯、下湯である。

 温泉協同組合が管理するこれら共同浴場。先ずはその共通点から述べようか。

其の一、造り
 
 建物・内装・浴槽 何れもウッディな総木造建築。別に情緒を狙った訳ではない。
強烈な強酸性温泉である。他の素材ではあっという間に腐食してしまうのだ。
 
其の二、料金

  

 大人200円、子供100円。何れも無人のため入り口の料金箱にお金を入れる形態。
当然、お釣りなど出ないから小銭を用意して行くべし。
 
其の三、シンプル
 
 何れも脱衣棚と浴槽しか無い。ここに入浴以上のものを望んではならぬ。

 ・コインロッカーは無い。貴重品は持参せぬのが賢明。
 ・シャワー、蛇口は無い。洗面器でかけ湯するのみ。
 ・石鹸・シャンプーなどの備品は無い。仮に持参しても強酸性の湯なので効きませぬぞ。
 ・共同浴場自体の駐車場は無い。センタープラザなどの駐車場に停めて参られよ。

 だいたいこんな所か。あるのは温泉のみ。
設備の整った所が良ければ、温泉旅館の外来入浴や民営の露天風呂をお奨め致そう。

 ・・・相変わらず前置きが長くて困るな。いい加減本題に入ろう。
蔵王温泉の共同浴場、順に廻って参ろうか。




 川原湯共同浴場

 
 蔵王温泉の名物共同浴場。その名物たる所以、まずはこちらをご覧あれ
 
 浴槽がスノコ状になっているであろう?
これぞ温泉好き垂涎の
足元湧出泉!

 温泉を引いてきて湯舟に流している、凡百のスタイルではない。
温泉が湧く岩の裂け目に、スノコ状の湯舟を乗っけているのである。

 
即ち、鮮度100%・大地直送の湧きたて温泉へダイレクトに浸れる。

これぞ足元湧出泉の醍醐味と言えよう。


しかもその湯は強酸性の超強力温泉!これが川原湯 人気の秘密だ。

 排出口が設けられていない為、浴槽の縁から常にひたひたと湯が溢れている。
極めて滑りやすいから慎重な行動を心掛けられよ。

 早速、噂の湯に浸かってみよう。
いや待て、日によっては
心臓に悪いほど熱いから注意だ。慎重にかけ湯してから・・・

 本日は実に良い湯加減であった。長湯を楽しむ事が出来よう。
肌触りはさらっとしており、はじめは爽やかな浴感だが油断はならぬ。名にし負う強力湯の事。
 

 すぐにジンジンと効いてくる。体に染み込んでくるようだ。

    

 高温の時は熱さでジンジンくるのか判別し難いが、適温の今日も変わらぬ心地よい刺激。
スノコにはうっすらと温泉成分が堆積し、透きとおった湯の底から揺らめきたってくる。
見上げると丸太造りの天井は高く、狭い空間なのに開放感さえ覚えるほどだ。
更に、水面より立ちのぼる強い硫黄臭が鼻腔を直撃し、
強烈な温泉体験を演出するのだ。

 そこで満足しないで更に数分浸かっていると、やがて
あちこちピリピリしてくる
金属さえ溶かす蔵王の湯だ。人間も長くは保たないのが必定。

 過ぎたるは及ばざるが如しとはまさにこの事。湯あたりする前に切り上げるとしよう。

 風呂から上がって体を拭いていると、やはり至る所わずかにヒリヒリする。
毒を以って毒を制すの例え通り、この強力温泉はアトピーなどの皮膚病に効果絶大と言う。
 その話、充分うなずける破壊力を秘めた湯と言えよう。

 
 


川原湯共同浴場
 

 温泉街の中心に位置し、賑わいを見せる共同浴場。
浴槽は比較的小さめだが、その分常時かけ流しの温泉は鮮度を保ちやすいとも言えよう。

 ここには3ヶ所中
唯一の足湯が存在する。右の画像がそれだ。
共同浴場中、ここでのみ加水なしの湯を味わうことが可能となっている。

 蔵王の源泉温度は約50〜66度と
火傷級の高温である為、共同浴場は温度調整が必須。
公衆浴場である以上、熱耐性の高い人間にしか利用できないというのは具合が悪い。
加水しての温度調整を余儀なくされている。(大雑把だから、それでも熱い時は熱い)
 
 しかし、足だけなら比較的高温でも何とかなるだろうってんで、元からあった湯の湧き出る
水盆に足湯を併設したというのがこれである。

 とはいえ、足だけでも高温に耐えられぬ人がいるのも事実。こちらをご注目頂きたい。

  

この通り開閉式の加水弁が設置されており、熱すぎる人はこれで温度調整が可能だ。
利用した後は、水栓を閉じておく事をお忘れなき様。

 もちろん熱いのは平気という、神に選ばれし人間ならそのまま利用することも可能だ。
無加水の湯を体験したい方なら、文字通り足を運んでみては如何であろうか。




川原湯共同浴場

 酢川温泉神社石段の麓、温泉街の最上部に位置する上湯共同浴場。

 足元湧出で人気の川原湯や、賑やかな下湯に比べると比較的穴場的な存在のように思える。
それでいて共同浴場中最大の浴槽と湯量である持つ為、ゆったり入れる可能性が高い。

 実は今回、これ以上入ると湯あたりしそうだったので入浴していない。
昔入ったうろ覚えの記憶で適当な事を書くのは性に合わぬ。
レポートは次回の訪問時になる点、平にご容赦願いたい。


DATA
住所 山形市蔵王温泉
地図
川原湯

下湯

上湯
電話番号 蔵王温泉観光協会
023−694−9328
駐車場 なし
源泉名 川原湯:川原湯浴場源泉
下湯:近江屋三号源泉
泉質 酸性・含鉄・硫黄−アルミニウム−硫酸塩・塩化物温泉
(旧泉質名:含硫化水素強酸性明礬緑ばん泉)
配湯方式 源泉かけ流し放流。加水して温度調整
蒸発残留物 川原湯:3720mg/kg
下湯:3487mg/kg
源泉温度 川原湯:48.1度
下湯:49.7度
Ph 川原湯:1.45
下湯:1.35
入浴料金 大人500円
子供300円
その他
料金
 
受付時間 午前6時30分〜午後10時
休日 なし
湯の色※ やや青みがかった透明 湯の香※ 強烈な硫黄臭
浴室施設 ・浴槽と洗面器のみ
浴室備品 なし
館内施設 なし
売店で売ってる
地元物産
売店なし
効能 きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、
月経障害、糖尿病、高血圧症、動脈硬化症、神経痛、
筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、
うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、疲労回復、病後回復
期、健康増進


※「湯の色」や「湯の香」などは、あくまで管理人が訪問した時のものです。
  温泉は生き物ですから日々変化する場合が多々ありますんで、
  行ったときに「違うじゃないかオイ!」等とお怒りになるのはナシね。
  相手は自然です。気持ちを大きくおおらかにいきましょうや。

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