出羽国一里塚 大石田ひなまつり

 


歓迎 楽天ゴールデンイーグルス
2軍


本拠地開幕第二戦 観戦記
2005/4/6更新


 いやあ昨年末から急展開でしたね。まさか山形にプロ野球が来るなんて思ってもみませんでしたよ。

 いいんです2軍でも。人口たかだか120万人そこそこの山形県に、サッカーJ2のモンディオ山形があって、Vリーグのパイオニアレッドウイングスがあるだけでも驚きだってのに、プロ野球まで来るなんて。

 それもこれも仙台のオプション的な町だってお陰かなハハハハハ・・・・

 ただ、山形県や地元自治体、山形新聞あたりが必死で盛り上げようとしてる中、呑気な山形県民は、まだピンときてない様子。

 まあ折角来てくれたんだ。今日休みだし一回くらいは応援行ってみよう。
と、言うワケで緊急企画、観戦記です。


 何を隠そう、管理人は山形人にしては珍しいドラゴンズファンです。

 首都圏の大学行ってた頃は神宮球場、ハマスタなんかで中日の応援をしたり、パリーグの試合を見に千葉マリン、東京ドーム、西武球場あたりに出掛けたりしてました。

 今でもたまに関東やナゴヤドームに遠征したり、東北で試合がある時は出掛けて観戦に行ったりしますんで、プロ野球とは疎遠だった山形県民にしては応援慣れしてる方でしょう。


 さて、地元球団というものを持ってなかった連中に、いきなりプロ球団を与えたらどんな事になるのか?以下そのレポートです。

 本日の観客は1100人ちょっと。
昨日の本拠地開幕戦はいろいろイベントがあったりして2400人位でしたからいきなり半減。でも驚くことはありません。

 何せ火付きの悪い事に関しては定評のある山形県民。現在では1万人前後の観客を動員するJ2モンディオ山形も最初はこんな感じでしたわ。
 昇格争いとかするようになってここ数年で一気に増えた前例もあるし、これからでしょう。

 売店では応援グッズや軽食に混じって、山形のお好み焼き「どんどん焼き」を売ってました。・・・そう言や他所の県で見たことないな、どんどん焼き。
 独自の奴だったとはマークが甘かったぜ。(詳しくは後日・別コーナーで紹介します)

 今日は「読売ジャイアンツ」戦。

 山形は従来巨人ファンの多い土地柄。それにJリーグでも、仙台や新潟と戦った時は
地元で応援負けするような県民性。

 巨人応援団の方が凄かったらヤだな、とか思いつつゲートをくぐると・・・

 ・・・おお!ほとんどがイーグルスキャップを被ったり、クリムゾンレッドと白の応援メガホンを持っているではないか!巨人ファンも開幕4連敗でだいぶ転んだか。
 楽天の選手に、ホームでビジター気分を味わう悲哀を感じさせたりしないで済んだよ。まず一安心。

 しかし油断は禁物でした。スタメン発表に続いて場内アナウンスが場を盛り上げようと前説振っても全く反応無し。挙句に
 
       
「それでは皆さん、応援の準備は大丈夫ですか〜」

     ・・・場内 シーン。病人みたいな見物だね(先代正蔵・中村仲蔵より)。

       焦ったウグイス嬢、もう一度

      
 「準備OKですか〜」

     ・・・シーン。 水を打ったように静まり返る場内。先行き不安だ。
     可哀想なウグイス嬢、しどろもどろになっちまったし。

 何せ二軍戦。「ホームラン・ホームラン・コースケ!」等と叫ぶ応援団も居ないし、楽天の応援は鳴り物なしが基本。観戦慣れしてない上、人前で騒ぐのが得意でない山形人にリアクション期待するってのが酷だよアンタ。しばらく苦労するぜ。
 
 そうこうしている内に試合開始。先攻の巨人にたいし先発は朝井。先頭打者にいきなりセンター前に打たれ、次いでフォアボール。いよいよ場内静まり返る。

 このまんま
 お通夜みたいな試合になるのかっ!等と不安になった矢先、ゲッツーでピンチを切り抜け、ほんのちょっと場内が沸きました。

 その裏、楽天の攻撃。相変わらず閑静な場内で1番があっさり凡退。先行きに不安を感じた矢先、2番が出塁!

 その時でした。どこからともなくメガホンを「コン・コン・コンコンコン」と叩く音。その音が少しづつ広がり始めます。すると、みんなそれに合わせてメガホンや手拍子でコンコンやり始めたではないですか!

 何の事はない、みんなどう応援したらいいかわかんなくてじっとしてたんだ。山形人らしいや。

 これでようやく盛り上がるかな、と思いきやまだまだ甘うございました。
皆声も立てずひたすらメガホンを黙々と叩き続けるのみ。

 
何て嫌な応援だ。これじゃ益々お通夜だよ・・・

 とか思ってたら、巨人先発の南もやっぱり嫌だったのか、いきなり二塁打を浴びて楽天先制!歓声が・・・あがらねえよおい!メガホンでコンコンやるだけだよおい!これでいいのか皆の衆!

 二回以降もこの調子。カツノリや長坂にホームランが出た時だけ一瞬歓声が上がったくらいで後は私語くらい。コンコンもだれてきたのかてんでばらばらになるし。
 
 このヌルい流れが一変したのは7回表。
ここまで0点に抑えてきた朝井から二番手の小林にスイッチしたんですが、これが大乱調。替わりっ端いきなりホームラン喰らった後は四球−死球−フィルダースチョイスでノーアウト満塁。挙句にワイルドピッチやってワンナウトも取れずに一点差。

 あ、やっぱり投手コーチの鹿島さん(ドラゴンズ・往年の名セットアッパー)が出た。小林KO。代わった徳元がこの回を凌いだが、犠牲フライで同点。

 しかし雨降って地固まるとはこの事。この回から応援に声が出るようになりましたよ。
 他の応援団みたいに声を揃えて応援歌を歌ったりしませんが、ピンチには励ましの声、チャンスには期待の声援、山場では声も立てずに試合に見入る。・・・やりゃあできるじゃないか、それが野球観戦だよ皆の衆!

 息詰まる展開の中、同点で迎えた9回裏。フォアボールのランナー二人を置いてバッターは途中出場のルーキー大廣。ここに来て応援も今日一番の一体感と盛り上がりを見せる。そして大廣の打球は・・・

 三遊間抜けた!ランナー二塁から還ってくる!

               
  サヨナラ!!!

 大廣はチームメイトにボコボコにされ、ユニフォームもはだけてあられもない姿に。選手全員がグラウンドに飛び出してきて優勝でもしたかのような大騒ぎ!

 かくして、私は楽天2軍・本拠地初勝利の目撃者という栄誉に浴する事ができました。

 正直に言います。初めはひやかし半分で見物に行きました。
そして観戦を終えた今、ゴールデンイーグルス
「おらがチーム」として応援していくことに決めました。やっぱ地元チームだって思うと感情移入しちまうわな。田舎もんとしては。

 この地から多くの選手が羽ばたいて行く事を願い、声援を送り続ける事にします。