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すいしゃ きそば
水車生そば
住所:山形県天童市鎌田本町1-3-26
電話:023−653−2576
取材日:2008年6月1日
営業時間:11:00〜23:30
駐車場:店舗北側・北側道路向かいに85台、大型車3台
期間:年中
休日:元日以外 無休
スープ:そばつゆベースだが、おどろくほどあっさりした和風スープ
:手もみ中太ちぢれ麺、コシ強め
創業:文久元年(1860年)
URLhttp://www3.ocn.ne.jp/~suisya/


主なメニュー
鳥中華 650円
ざる中華 650円
鴨ラーメン 900円

板そば 1400円
天ざるそば 1600円
二色板そば 2100円
もりそば 670円
さらしなそば 750円
天ぷらそば 1100円
鳥そば 800円
鴨そば 1100円
なめこそば 950円
山菜そば 1050円
山かけそば 900円
たぬきそば 700円
かけそば 650円
かいもち 1000円
天ぷらうどん 1050円
肉うどん 850円
カレーうどん 850円
鍋焼うどん 1400円
オリジナル純米吟醸 長兵衛
(720ml) 3500円 他・銘酒多数。 


  
 創業150年。伝統の技で打つ田舎そばの老舗。

 国産そばを水車で回す石臼で挽き、自家製粉したそば粉100%で打つ本物の田舎そばを、信念を持って提供している。



 そんな生粋のそば屋に、店主の意図せぬ人気メニューが存在する。
それが「鳥中華」だ。

 もともと店員のまかないとして作ったものだが、それを見かけた近所の温泉で働く酌婦さんが「私も食べたい!」とリクエスト。

 その場はやむなく出したのだが、人の口に戸はたてられないもの。
口コミで評判が広がり、一部の客にだけ提供する裏メニューに。

 更に話は広まり、とうとう取材の話まで来るに至って、正式にお品書きへ掲載の運びとなった。

 今やネットでお取り寄せもできるまでに。すっかり人気メニューだ。



 ただし忘れてはいけない。ここが誇り高きそば専門店だということを。
賄い用に中華麺くらい用意したが、ラーメンスープなぞ作ろう筈も無い。

 スープはどうしたかって?
無論、カツオ風味の日本そばのダシに決まっている。

 水車生そばの主役はあくまで「蕎麦」。その繊細な味わいを殺さぬよう、そばダシはきわめてあっさりと仕上げてある。

 その味を表現するのは難しい。
カツオだしには違いないが、あくまで控えめ。いわば『突出した味の要素がないという 強烈な個性を持つ和風スープ』とでも言おうか。

 だからといって味が薄すぎるという事はない。
そば職人が丹精して取ったダシは骨格がしっかりしているので、そのままあっさり系ラーメンの上質なスープとして通用している。

 具もあくまでそば屋としてのそれ。
肉は鳥そば用の鶏肉、海苔はもりそば用の刻み海苔、温そばには定番の三つ葉ときて、たぬきそば用の天かすでコクを加えているのだ。
 唯一、スパイスだけがラーメンらしい要素かもしれない。


 最後に、何度も言うが、ここはそば屋だ。
店主としては、鳥中華より伝来の田舎そばを食べてほしい、というのが偽らざる本心だろう。

 その気持ちは、お品書きにもあらわれている。
40種近いメニューのうち、中華そば系は「鳥中華」を含めて3品のみ。

 しかも店内のメニューを見ても、「ラーメン」などという項目は ない。
「うどん」の中に、鳥中華と鴨ラーメン。「冷たいそば」の中に、ざる中華が散見されるのみだ。

 それもそのはず、いずれも純粋なラーメンではない。
そばダシで食う鳥中華、鴨そばダシの鴨ラーメン、そしてそばつゆで食すザル中華。そう、店側ではあくまで変わりそば的な扱いなのだ

 こんなサイトのラーメンコーナーで喧伝されるなど、不本意もいい所かもしれない。どうせならそばの方で紹介してよ!と。

 だが、山形ラーメンを語る上で、鳥中華は外せない。
鳥中華とくれば、この店は外せないのだ。ご容赦願いたい、五代目。


 図らずも生まれてしまった そば屋・ジレンマの人気メニュー
私としてはせめて、そばも超個性的だからどうぞ!と言っておこう。