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さかえやほんてん
栄屋本店
住所:山形市本町2−3−21
電話:023-623-0766
取材日:2007年3月26日
営業時間:11:30〜19:00
駐車場:約2台
期間:年中
休日:水曜日
スープ:牛骨ベースに植物油をブレンド
麺:強力粉を使用したコシのあるストレート麺
創業:昭和7年


主なメニュー
冷しラーメン 700円
激辛冷やしラーメン 800円
冷しワンタンメン 800円
冷しチャーシューメン 950円
冷したぬきラーメン 800円
冷し薬善※ラーメン 850円
(※メニュー通りの表記)
冷し栄ラーメン(夏季) 950円
冷し中華皿盛(夏季) 900円※
(※いわゆる普通の冷やし中華)

もりそば 550円
もりうどん 650円
ざるそば 650円
とろろそば 800円
冷したぬきそば 800円
冷し鳥そば 800円
ラーメン 550円
鳥中華 700円
激辛ラーメン 650円
味噌ラーメン 750円
ワンタンメン 700円
チャーシューメン(牛肉) 850円
たぬきラーメン 700円
栄ラーメン 800円
山形ラーメン 900円
 (牛肉&山菜)
海老ラーメン 1100円

かけそば 550円
きつねそば 700円
鳥そば 800円
カレーそば(うどん) 850円
カツそば 850円


 「栄屋本店」と言えば、何といっても「冷たいラーメン」。
氷点下の冬でも、氷の浮いたこの品をメニューから外さない。

 「冷たいラーメン 発祥の店」

として、山形市民には絶対的な知名度を誇る。

 冷たいラーメンが産声を上げたのは昭和27年。

 「蕎麦はつったいな(冷たいのが)あんのに、ラーメン無いんだが?」
というような常連客の一言を聞いた店主。

 上のメニュー(ほんの一部)からも伺える通り研究熱心な彼の事。
一年間に及ぶ試行錯誤の結果、編み出したのがこの一品だ。

 その道程は脂との闘いだったという。
普通にスープを作って冷やすと、脂が固まってしまう。
 かといって脂を除いてしまうと、スープのコクが失われてしまう。


 最終的にたどり着いたのが、スープの3段階製法。

 @まず牛、鰹節、昆布などでスープを取る。

 A次いでこれを冷やした上で脂を漉し取る。

 Bそこにゴマ油、大豆油、紅花油などをブレンドしたものを加える。

 結果、従来の常識を覆す「つったい」スープが誕生したという訳だ。


 当初は邪道とも評された冷たいラーメンだったが、先入観を捨てて一度食べるとやみつきになる人が続出した。私もその一人。

 今や山形市を中心にかなりの店で定番化したが、そのほとんどがこの手法を踏襲している。元祖は偉大だ。


 その味を一言で言うと、「あっさりしているのに濃厚」

 ベースは飽きの来ない典型的なそば屋の中華。
食べているときにはさっぱりしているのに、食後の余韻はしばらく楽しめるという、不思議な味わいだ。
 味付けは濃い目好きの山形人に合わせ、醤油がよく利いている。

 そこにゴマ油を中心とした油が浮き、冷たいラーメンならではの香ばしさとコクを効果的に醸しだしている。

 麺も冷たいスープに合うような工夫がなされている。
強力粉を使ったストレート中太麺をじっくり熟成して使用。
 茹であげた後、冷水にさらしてよく締めてあり、強いコシとモチモチ感が最後まで保たれる。

 具のチョイスも抜かりない。
モヤシとキュウリ、太切りメンマのシャキシャキ感と、冷やしてこそ味わいの出る牛肉チャーシューは冷たいラーメンにピッタリ。

 御丁寧にスープには氷が浮かび、ラーメンなのに食べていると後頭部がキーンとしてくる程の冷たさをキープしてくれている。
 更に、氷が融けても味の薄まらないような工夫がしてあると言う。


 全体に、何というか 清涼感満点の仕上がり となっている。


 山形の、ひいては日本の冷たいラーメン界(?)をリードする店。

これぞ つったいラーメンの 元祖にして 王道。