全国でも珍しい、猫を祀った神社。ネコガミ様である。名前はタマである。
隣接する「犬の宮」の後日談から生まれたお宮で、けっこうホラーな伝説が言い伝えられております。
犬の宮事件から約70年、この村に信心深い庄屋夫婦がおったそうな。
(・・・だから当時「庄屋」言うかってえの!時代考証が甘いぞ高畠町!)
その夢枕に観音様が立って「猫を与えるから大事にせよ」とのお告げがあり、授かった猫に玉と名付けて可愛がったそうな。
ところがこの玉がちょっと変。庄屋の傍を片時も離れず、何かを狙うかの様に睨みを利かせるという、不気味な仕草を見せ続けるのでした。
気味が悪くなった庄屋は、思い余って懐剣で玉を一刀両断!
何と!玉の生首は宙を飛び天井裏に飛び込んだ!
驚いた庄屋が天井裏を恐る恐る覗いた所、そこには更に恐るべき光景が!
天井裏に潜んでいたのは大蛇!
玉の生首が大蛇に食らいつき噛み殺していた!
・・・あんまし想像したくない光景ですな、夢に出そうだ。
この大蛇は犬の宮事件で果てた狸の怨念の化身だったのだ!
(良くそんな事が分かったな庄屋。蛇の頭に葉っぱでも乗ってたのか?)
庄屋の命を救った玉を偲び、建立されたのが「猫の宮」という。
まあ、こんな強烈な由来を持つ猫の宮。愛猫家より高い崇敬を受けております。
その信仰形態は犬の宮と同様、亡くなった愛猫の菩提を弔うべく、感謝の言葉を添えた故猫の写真を正面に貼りつけるというもの。
ただ、そのボリュームは圧倒的で、写真の点数では犬の宮を遥かに凌駕しております。愛猫家に負けてるぞ。頑張れ全国の愛犬家諸君。
お宮の前に立つと、視界全てが猫の写真。みんなこっちをじっと見てます。
写真の迫力と伝説の恐怖度は犬の宮以上ですが、あちらほどミステリアス度は高くありません。
やっぱ平地にあってオープンな雰囲気だからかな。こっちの方が写真多くなるのも仕方ないのかもしれません。
猫の件でお悩みの愛猫家の方、安心してご参拝下さい。
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