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海向寺
かいこうじ
2005年7月7日

即身仏堂

境内からの眺望


 即身仏を語る上では(?)外せないお寺の一つ。大きな事を言うようですが、
酒田市の砂高山海向寺といえば、日本で、ここ一ヶ所です。即身仏を2体
奉安してるってのは。

 当山のキャッチフレーズは「昔の人と今ここで会える」。確かに250年も昔
に生きていた方と、絵や彫像でなく本人とご対面できる所なんてのは、ざらに
はありませんやねぇ。上手いことを言う。

 ここは湯殿山系寺院の本山、湯殿山注連寺の末寺にあたります。湯殿山
と言えば即身仏のメッカ!(語源はイスラム教の聖地・・・やっぱマズいかな
この表現) 海向寺の歴代住職も即身仏修行に挑んだ方が多く、現存する
即身仏のうち当寺出身者は3名様もいらっしゃいます
 
 うち8代目住職の鉄門海上人は注連寺の方に祀られてます。ここに安置し
てるのは中興の祖、忠海上人とそこから数えて9代目の圓明海上人です。

 このページをご覧になるような人ならば、ぜひそのお姿を拝見したいっ!
ってな方が多い事とは思いますけど・・・

 即身佛堂内は撮影禁止ですし、第一ホトケ様にフラッシュ焚こうなんて無礼
は管理人の主義に合わないし、ご尊影写真は売ってますし(400円)もちろん
買ってまいりましたけど著作権上ヤバい気がするんで、すいませんが画像は
アップしません。直接足をお運び下さいませ。
 
 両上人とも、厨子※に収められて普段は扉を閉めており、拝観を申し出ると
読経と共に開けてくれます。昔の人と感動のご対面です。

 ※ずし:仏像や経典を安置する戸棚型の仏具。観音開きの扉がついてて漆塗りや金箔などが
施され、小さな建物のような屋根や装飾がついている場合もある、中身のありがたみ増幅装置。
 ここの厨子もかなり立派なものです

 忠海上人は荘内藩のお武家様出身。入寂は宝暦5年(1755年)2月21日。
元は侍らしく、なるほど意思の強そうな表情です。
 結跏趺坐※も型崩れしておらず、背筋もビシッと伸びていて、死してもなお
居住まいを正したその姿は今まで拝観した即身仏の中でも屈指の緊張感を
漂わせており、生前はさぞ威厳があったろうな、と想像されます。

 ※けっかふざ:よく禅僧や座仏がやってる、両足を腿の上に乗せたキツいあぐらの事

 対して 圓明海上人はって言うと・・・こんなに柔和でふくよかな即身仏、私
記憶にありません。即身仏はひらったく言やぁミイラですから、顔のフィルムは
たいていシャレコウベそのもの。なのに何でしょう、この優しそうなお顔は
 八の字マユゲに目じりの下がった垂れ目団子っ鼻も全く崩れることなく
在りし日の姿を保ち、小首をかしげたようなその姿は愛嬌すら感じられます
 緊張感が横溢するお隣様とは全く対照的ですが、人間死ぬ時はこうありたい
ものだと思われるような、百姓出身のお坊さんらしい穏やかな即身仏です。

 即身仏の寺らしく、「即身仏になるには」の解説も図解で詳しく展示されて
います。ただ、即身仏修行には埋めたり掘り出したりする協力者が不可欠。
現在の法律では協力者が自殺幇助だの殺人罪だの死体遺棄だので厳罰に
処されるから、実行しようとしても不可能だけどね。

 また、注連寺に行った鉄門海上人ゆかりの寺として、上人が粟島(新潟県)
から伝説とともに持ち帰ったとされる奇跡の石(長くなるからここではパス。
どうしても気になるって方は現地でご確認下さい)を祀った粟島観音堂があ
ります。

 海向寺は酒田市街をのぞむ高台に位置してるんで、眺望も良好。市内を
一望する茶店もありますし、もちろん木や金でできた普通の仏像も充実して
ますから、酒田に来たら寄ってみたいお寺です。


詳細情報
住所 山形県酒田市日吉町2-7-12
地図   
MAPFAN Google
更新日 2005/7/7
電話番号 0234-22-4264
宗派 真言宗智山派
山号 砂高山(しゃこうざん) 酒田
開山 西暦824年~833年(天長年間)
平安時代初期と言う。
開基 弘法大師 空海(ただし、確たる証拠は無いようです)
拝観料 即身佛堂 400円
アクセス 酒田駅より庄内交通バス鶴岡行き 5分
バス停寿町下車 徒歩5分
駐車場 4~5台。尚、車では南側からの出入りになります。
東側は石段のため、徒歩のみです。
堂宇 ・本堂(権現造り)
・即身佛堂
・粟島観音堂
・鐘撞堂
・海向寺茶店
主な仏像 ・ご本尊:湯殿山大権現(胎蔵界大日如来)
・五大(?)明王像
・妙見菩薩
・青面金剛 
・天狗面(火の神との事。秋葉山系?)
・木食修行中に江戸から明治に時代が変わり、法律で
 即身仏になる事がが禁止された為、やむなく修行を
 断念した行者2名の無念の木造。 
・びんつる様 ほか
お守り等 ・即身仏腹巻
・即身仏の衣片入りお守り
・即身仏御写真 ほか
年間行事 1月1日~3日 元朝祈祷
2月18日    開運厄除大祈願祭
         (通称「作祭り」として知られる奇祭)
4月3日     粟島観音春祭り
8月1日~3日 粟島観音夜祭り
         (即身仏開帳、灯篭流し供養)
11月3日    粟島観音秋祭り

毎月8日    八日講(4,8,11月以外)


 

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