ここ高畠町で寺社仏閣といえば「安久津八幡宮」や「亀岡文殊」なんてのが比較的メジャーどころですが、あえてここから紹介するってのが「出羽国一里塚」テイスト。
全国でも類を見ない犬の神社です。犬神様です。
本来はお産が軽くて多産な犬にあやかり安産祈願で知られたお宮ですが、ペットが家族の一員となった現在、犬専用神社としてすっかり愛犬家の心の拠り所と化しています。
ここの由来には伝説がある。
詳しくは現地案内看板にあるから、ダイジェストでお送りします。
むか~ぁし、(一口に言うけど、だいたい1300年も前だぞ)
ここの村人は役人に納める人年貢に悩まされておったそうな。
(人身御供の事、凄ぇ表現。ところで奈良時代に「年貢」言うか?)
ところがある時、この村を訪れた旅の座頭に、こう指摘された。
「そりゃ何かおかしいだろ?」
「やっぱ変だべか?」と思った村人は(絶対変だよ!早く気付けよ村人)
アドバイスに従って甲斐の国から三毛犬、四毛犬って猛犬を輸入。
役人を酒盛りだって騙しておびきだし、犬をけしかけたら当然の如く大乱闘!
激しい戦いでした。
戦いすんで日が暮れて(?)、死んでいたのは2頭の大狸と多数の荒狸じゃった。
(人間だったらどうする気だったんだ村人?)
じゃが、戦功第一の犬たちも深手を負い、手当ての甲斐なく死んでしまったそうな。
村人は救世主となった犬を村の守護神として祀り、おかげで村は栄えたそうな。
どんびん さんすけ。
・・・どっかで聞いたような話だって?ええ私も聞いたことがあります。
たしか「まんが日本むかし話」か何かで聞いた、「信濃のしっぺい太郎」って犬による化け物退治のお話とシチュエーションそっくり。多分日本中にこの手の話はあるんだろう。
そんな成り立ちからついた名前が犬の宮。犬を祀ってることから、愛犬家より幅広い尊崇を集めております。たとえば・・・
◎愛犬の病気平癒を祈って写真を貼る。
◎愛犬と死別した飼主が、写真に思い出を書き連ねて冥福を祈り、貼る。
◎首輪など思い出の品を納める
◎行方不明になった愛犬が戻ってくるよう祈願して写真を貼る
◎無事、戻ってきたからお礼参りだってんで又貼る
とかしてますんで、拝殿正面はワンちゃんの写真で埋め尽くされています。
愛犬の事でお悩みの方、どうぞご参拝下さい。
ところでねぇ、実はここ山形を代表するミステリースポットにもされてたりします。
愛犬家の皆さんは真剣に参拝してるってのに失礼な話だ!とは言うものの・・・・
昨今、雰囲気が不気味だってんで廃屋や廃病院なんかに不法侵入し、心霊と警察のスリルを楽しもうって輩が多いのは事実。
ここの佇まいがそんな客層(?)のニーズにもマッチしちゃうってのも、悲しいかな事実です。
このページ先頭の画像、左上に注目。私が訪問したのは午後1時、天気快晴。
なのにこの薄暗さは何たる事か。古びた鳥居やいわくありげな石碑、石地蔵などが立ち並ぶ、鬱蒼とした社叢を進む事しばし、そこだけ日の光が差し込む社殿に到着する。
拝殿の草葺屋根には草が生い茂り、無人の境内は静まり返っている。
その傍らには首が取れた後、不自然な補修を施された旧狛犬とおぼしき石像が佇む。
正面に進むと、新しいのや古ぼけたのやら、犬の写真が隙間無く貼り付けてある。
当然全てカメラ目線。そのほとんどが他界している無数の犬達が、こちらを一斉に見つめて来るのだ。
・・・愛犬家の皆様には悪いけど、確かにこのシチュエーション怖いわ。
でも、雰囲気は確かに一種独特だけどこちらは村の守護神様だ。怖がることはないよ。
安心して愛犬関係のお願いに参りましょう。ただ本来の信仰形態、安産祈願にはちと向かないかもなぁ。胎教にはあんまし良くなさそうだ。
ときにミステリースポット好きな方、確かに結構な雰囲気はありますけど、ここ「神社」だって事だけはお忘れ無く。霊障は多分ないけどバチはあたるぞ。
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