2005年8月24日更新
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だだちゃ豆畑 | 畑のだだちゃ豆 | まもなく収穫です |
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今でこそ人気のだだちゃ豆。 でもデビュー当初は? |
ニセだだちゃ豆を 掴ませられないために |
食べた事ある人も無い人も。 だだちゃ豆、味の秘密とは? |
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自分だけの最高の味を求めて だだちゃ豆の買い方・探し方 |
鶴岡農協が推奨する地元 伝統のゆで方がここに! |
地元では普通の枝豆として食べられてきた”だだちゃ豆”。 ところが近年独特の味わいが知られてきて、何だかメディアにもよく出てくるようになったなと思ってたら、あれよあれよという間に美味しい枝豆の代名詞と化してしまいました。 フツーに食べてたものが実は凄いものだったとはね。ある意味贅沢な話よ。 ところがこのだだちゃ豆、年間600トンくらいしか取れない※ため人気に需要が追いつかない状況です。 ならもっと作りゃいいのにって?そうもいかない事情があるんですわ。 ※ちなみに山形県の平成15年出荷量、サクランボが1万4千トン、りんごだと5万2700トン、米なら37万8千トンね。主力作物と比べると桁違いに少のうございます。 @収穫できる時期が8月半〜末と極めて短い。 A豆の収穫量が、一本あたり普通の枝豆の半分くらい。 B何故か、よその土地に植えてもこの味が出ないから増産できない。 Cいい種は生産者の家で門外不出・一子相伝されてるんで、おいそれと手に入らない。 そんなこんなで限定栽培を余儀なくされてるから、畢竟希少価値が高くなってしまう訳ですな。 ところで何故だだちゃ豆って名前になったのかについては諸説ありますけど、よく言われるのが方言起源説。 「だだちゃ」ってのは地元の方言で「親父」の事。庄内藩主・酒井家の殿様に枝豆好きなのがいて、城下から毎日取り寄せては 「今日はどこのだだちゃの豆か?」 と尋ねまくった挙句、通称になったって話。 真偽はともかく、このセリフはだだちゃ豆のある特性を鋭く突いております。 ピンときた方は勘がよろしい。その特性とは・・・ 後述「お味編」を読めば明らかになるでしょう。 では、早速だだちゃ豆についてのあれこれを紹介して参りましょうか。 |
![]() 地方野菜・だだちゃ豆が全国デビューしたのは割と最近で、東京への初出荷は昭和61年。 隠れた名産品はその極上の味であっという間に大人気!・・・とはいきませんでした。 デビュー当初の評判は惨憺たるもので、クレームの嵐だったって聞きます。多かったのが 「この豆、腐ってるじゃねェか!!!」って奴。 ああ、それ超巨大な勘違い。でも何でそんな誤解を受けたんだって?タネあかしは「見た目編B」にて。 しかし、腐った豆呼ばわりされたのも今は昔。 その別次元ともいえる味が認められるようになって大ブレーク! 今や枝豆の高級ブランドだってんだから、えらく出世したものです。 |
![]() ここで紹介するのは、10種類あるだだちゃ豆の中でも一番人気の白山(しらやま)だだちゃ豆。 この品種名は主要産地の鶴岡市白山地区に因んだものです。 余談ですが地元の産直では地区名入りで販売してるんですけど、「白山地区のだだちゃ豆」を探しても見つかりませんよ。 地区名は小字(こあざ)名で表示されてますからね。 例えば大字白山字大泉産なら「大泉」と表示されてます。 他にも白山の小字名はいくつかあるんで、生産地にこだわりたい人はお店の人に聞こう。 まずは、その見てくれから。(白山地区・大泉産) |
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うわぁ〜美味しそう! 何て思った方、本当に本気で心の底からそう思います? だだちゃ豆は決して見目麗しい代物じゃないんですけどね。外見上の特徴といえば・・・ @枝豆は一さや当たり3粒入りのものが多いんですけど、2粒入りが約60〜80%。 このタイプがだだちゃ豆の美味しさを良く伝える、本来の姿なんです。 普通のより生産性は悪いけど、効率よりも味を重視して代々そういうのを選り抜き、 長い時を経て厳しく選抜・淘汰してきた結果、今日の名声がある訳ですね。 Aこんな風に、茶色の産毛がびっちり生えてます。色もくすんだような感じだし。 でも体裁を気にせず、味には直接関係ないからって見た目の品種改良をしないあたり、 だだちゃ豆への深い愛情と、不器用だけど真っ直ぐな百姓魂がひしひしと伝わってきます。 |
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いや豆はさやを食べるんじゃない、中身が良ければそれで良し!というアナタ。じゃあ中身見ますか? ![]() |
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うわぁ〜美味しそう! 何て思った方、本当に本気で心の底からそう思います? Bなんだか変に黒ずんでるんですけど? この豆やっぱ腐ってるんじゃねェか? とお思いの方。ごもっともです。ごもっともですけどね・・・・ いーえ、こいつは早朝に収穫したのを午前中買って、即日茹でたばっかりの新鮮な奴。 これが正統だだちゃ豆の色なんです。 そういや「美味しんぼ」ってマンガで丹波篠山の黒枝豆が、同じような理由から腐ってると言われるネタがあったっけな。(14巻) 又、茹でる時に普通の枝豆では考えられないような濃厚で甘い香りが漂うってのも、誤解された要素の一つ。 いい匂いなのに何でそんな事にって? いままでそんな香り高い枝豆にお目にかかった事がなかった人の多くは驚いて、普通じゃない=腐ってる! と思っちまったみたい。 でも「これ凄くおいしい豆だよ」と言われてから茹でると、同じ香りでも腐ってるなんて誰も思わずに、みんな「凄くいい匂いがする〜!」となるんだから、人間てのは不思議なもんです。 C小粒で不揃い、いびつな形。薄皮にはシワが寄ってます。予備知識の無い人には確かに美味そうにゃ見えないわな。 だいたい見た目の特徴は、@〜Cが代表的な所です。最近高値で売れるってんで、ニセだだちゃ豆が出回ったりしてますけど、 この辺の基本押さえとけばパチモン食わされる事はないと思いますよ。 ※これらはあくまで「白山だだちゃ豆」の特徴です。10種類あるだだちゃ豆品種の中にはこの条件があてはまらないのもありますんで、その辺ご留意の程。 |
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![]() ウマいウマいって、じゃあどうウマいんだよ。ですって?そりゃ説明難しいですわ。 何が難しいって畑や生産者が違うだけで味もかなり違ってくるという特性があるから、 「これが正統の味だ!」ってのを私自身どう説明したものか分からんのです。 だから殿様が「今日はどこのだだちゃの豆だ?」と聞いたとしても不思議は無いわけです。 実際味が違うんですから。 だだちゃ豆は凄くデリケートな性質で、おいしくできるのは山形県鶴岡市白山周辺のみ。 よそで植えてみてもこの味は絶対に出ないと言われてます。考えられる要因としては @至近にある温泉のおかげで川の温度が高く、朝もやによる潤沢な朝露が豆をしっとり仕上げる。 A水はけの良い砂地で、養分が少なく痩せた土地だって所が逆に豆の生育には最適。 とか言われてます。正確にはまだわかってませんが条件かなり厳しいみたい。 実際どれだけの地域で試したのかは知りませんけど、管理人が白山だだちゃ豆を地区別・生産者別に色々試してみた結果、 「同じ市内でもこれだけ味が違うんなら、よそじゃ難しいってのも納得できるな」と思った次第。 ここで「ちょっと待て、試したってお前そんなに色々買ってみたのか?」と思われた方。買ったわけじゃありませんよ。本場(というか世界で唯一の産地)鶴岡では試してから買えるんです。詳しくは「だだちゃ豆ゲット」にて。 まあ性質論はこのへんにして、いい加減味について語りましょうか。 確かに生産者によって違いはあるものの、普通の枝豆とは決定的に違う要素ってのがあります。 良く言われるところでは 「とうもろこし級の甘さと、枝豆のコク・香ばしさを併せ持つ絶妙な味」とか 「「噛むほどに味わいが増す」って感想が多いみたいですね。的確な表現です。 その「だだちゃ豆である条件」をベースに、あとは味の優劣ではなく個性の違いがあると言うべきかもしれません。 その条件を形作る要素とは・・・ @ 濃厚な甘み 独特な甘みがクセになるという噂のだだちゃ豆。実際、一般的な枝豆より糖分が約1.5〜2倍も含まれてます。 A 旨みが濃い 旨み成分、アミノ酸系のグルタミン酸は含有量2倍。その中でも甘みと旨みを増幅してくれるアラニンは約10倍以上含まれてます。この突出したアラニン含有量が、強烈なインパクトを誇るだだちゃ豆の味の決め手になってるようです。 (以上、日本食品分析センターの調査データによる。JA鶴岡広報誌より引用) このへんを基本に、生産者によって甘みが突き抜けてるのとか、鼻に抜けるような香ばしさのとか、バランスが絶妙なのとかが、高いレベルで実に個性的。 次のコーナーを参考に自分好みのだだちゃ豆を見つけてみては? 「酒屋の前に三年三月立っていたって、呑まない酒に酔わぬが道理だお立会い」(10代目馬生「がまの油」)。 何だかんだいって食べ物は食べてみなきゃ分かりません。 まだ食べた事ないって人は是非一度お試しあれ。 |
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![]() 昔は地元でしか食べられなかっただだちゃ豆も、東京を中心に全国へ出荷されるようになったし、ネット販売もやってるから日本中で食べられるようになりました。 便利な世の中になったもんです。 でも、管理人がオススメしたいのがやっぱり地元に来て採れたてを買う事。 売ってる店は結構ありますけど、中でもイチオシは産地直売所です。 本来、ネット販売してるのも買ってみて比較すべきでしょうけど、山形県民としてはだだちゃ豆に4〜5000円出す度胸が感覚的にどうしても起きなくてね。やっぱ高いのはもっと美味しいのかな? なにがお勧めかって、産地・生産者ごとに茹でたてを試食して買う事ができる点に尽きます。 「お味のひみつ」で紹介した通り、だだちゃ豆は畑ごとに味が違う微妙な作物なんで、それを確かめて買えるというのは魅力的。値段もわりと安いしね。 味の好みは十人十色。私が行った時も『これ美味しい!』と言って買っていく豆は皆さんそれぞれ違ってたし。 おいしいだだちゃ豆の中でも、自分だけのナンバーワンを探してみては? それでは、鶴岡市内の試食のできる直売所をいくつか紹介してみましょうか。 |
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最期に、本場JA鶴岡大泉支所(白山地区内)推奨の地元流おいしいゆで方を引用させていただきます。 だだちゃ豆は収穫後も呼吸を続け、味の劣化が早い生物(イキモノ)かつ生物(ナマモノ)ですからゲットしたら早急に以下の手順を参考に手早く茹でてしまいましょう。 すぐ食べない場合も、茹でておいてから保存したほうが比較的味の劣化は少ないですよ。 1、洗い桶に豆を入れ、水を少なめに入れて豆をゴシゴシ強くこすり、毛を洗い流したらザルにあげて水気を切ります。 2、鍋に水を入れ、(豆250gで水2リットル)塩を少々入れて沸騰させます。 3、沸騰した湯の中に豆を入れて、2〜3分位経ったら素早くザルに上げます。※くれぐれもゆですぎないようにして下さい。 4、豆に塩をふりかけて(塩の量はお好みで調節して下さい)うちわや扇風機であおり、高温を素早く冷まします※又はゆであげたらすぐに冷水に入れて高熱を冷まし、水気を切ってから塩をふります。 それでは、長々続けてきた だだちゃ豆談義もこれにて一巻の終わりでございます。 最期まで読んでくれた奇特な方が、自分の最高のだだちゃ豆に出会える”口福”をお祈りします。 |
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